Field Interview 「ハニーガーデン瑞梅寺」馬場賢一さん~里山の暮らしを体験できるキャンプ場~ 2021.02.06

こんにちは。

Field Bankチームです。
キャンプ場のオーナーやキャンパーの方々に迫る「Field Interview」

今回はハニーガーデン瑞梅寺(ずいばいじ)のオーナーでいらっしゃる馬場賢一さんです。

糸島市雷山の隣に位置する瑞梅寺で、山の一角を購入し、プライベートキャンプ場を運営されています。

Instagramでキャンプ場の様子を色々とアップされているのを拝見し、ぜひお話をお聞きしたくご連絡させていただいたところ、快諾していただき、今回取材の運びとなりました。

どんなキャンプ場なんだろうとワクワクしながら車を走らせ、ナビが到着地と指すところで停まると、あれ・・・こんなところにポツンと一軒家?!🏡

所謂イメージするキャンプ場とは違い、切り開かれた山の一部に広いお庭と小屋があるような感じです。

坂を登っていくと、まず鶏たちのコケコッコーの鳴き声でお出迎え。それも2羽や3羽ではありません。ヒヨコも含めると全部で25羽近くの鶏たちが敷地を走り回ったり、羽をバタバタさせたり・・・呆気にとられました。

そこに作業着を着た馬場さんがご登場。お忙しい中、色々とフィールドの紹介やお話をしていただきました。

ハニーガーデン瑞梅寺では、土日にキャンプ体験会「ハニーキャンプ」を開催されているとのこと。体験内容としては、テント、タープ設営・焚火料理・薪割り・チェーンソーでの丸太カット・道具の使い方レクチャーなど。

もっと色々な人にキャンプ場として利用してもらえるような環境にする為、焚火スペースを作ったり、芝を敷いたり、と整備を進めているところだそうです。

それだけではありません。出迎えてくれた鶏たちは孵化器から生まれ、ヒヨコの時から育てているそうです。種類は、尾長鶏、シャモ(軍鶏)・ウコッケイ(烏骨鶏)・アローカナなど。

その他にも、山羊を飼ったり、栗の木の苗を植えたり、原木に椎茸の種菌を植え付けて栽培したり、にんにくや玉葱、キャベツなどの野菜を育てたり…色々なことをされています。

特に驚きなのは、日本蜜蜂の飼育をされていることです。「ハニーガーデン」という名前の由来も勿論ここから。

元々は菜園の植物受粉の為だったそうですが、人口受粉が面倒なので、虫達でしてくれたらいいなぁという気持ちで、5年前に始められたとのこと。トレーラーハウスの裏に設置した木箱で飼われています。

取材陣は正直蜜蜂にビビりまくりでしたが、馬場さんは蜜蜂に関する色んなことを教えてくださり、蜜蜂に愛情を注がれているのがとても伝わってきました。

「日本蜜蜂は基本的には人を刺さない温厚な蜂で、機嫌が悪いと体に体当たりして近づくなと言ってきます。ただ雨の日はちょっと機嫌が悪いですね。昨日雨だったので今日は、、。」
…ってこわいこわい!
怯える我々を見て馬場さん苦笑してました(笑)

日本蜜蜂の飼育の始め方についてもお話してくださいました。

蜜蜂は桜の咲く頃に巣別れして巣を作ります。桜前線と共に南から北へ分蜂が始まります。それに合わせて木の巣箱を準備するのがファーストステップ。そして女王蜂のフェロモンを出す植物を横に置き、中に入ってくれるのをただ待つのだそう。大体、10箱中3箱位の確率で入るそうです…大変ですね!💦

(↑蜜蝋を塗った木箱の蓋)

それでも、ここはカラスザンショウやミズキなどの蜜源があるので蜜蜂を飼育するのには良い環境で、それがこの山を購入する決め手の一つにもなったと仰っていました。

沢山の参考書で勉強されたそうですが、やはり実践してみると大変なことも多く、オオスズメバチの襲撃を受けて全滅してしまったことも…。

でもあくまで、オオスズメバチも害虫ではなく、益虫。スズメバチがいなくなると餌となる毛虫等が増え、野菜や果樹等の生産に影響し、農家さんは、沢山の農薬を使う様になる。そうすると集蜜に訪れた蜜蜂が農薬を浴び数百から数千匹の蜜蜂が一夜で死んでしまうと仰っているのが印象的でした。

蜜蜂の巣箱など紹介していただいた後、実際に採れたてのパリパリの蜜蝋がついた状態の巣蜜も試食しました。初めてだったので、ドキドキしながら口に入れると、最初つんとした匂いがした後、花の味がわーっと口の中に広がり、、あまっ!!!!

馬場さん曰く、激甘のキャラメル…うむ、たしかに。その後ブラックコーヒーを飲むと、苦さと甘さでいい感じでした。先に茶菓子をいただいてからお抹茶、というのと同じですね。

因みに、スーパーに売っているハチミツの多くは西洋蜜蜂から採れたハチミツで、西洋蜜蜂はレンゲなどの花別なのに対し、日本蜜蜂は色んな花の蜜を集めた百花蜜。採取地によって色や味が違うそうです。流通しているハチミツ全体の3%程と少ない為、日本蜜蜂のハチミツはとても貴重と言われています。

(↑オオスズメバチを焼酎に漬けたりもされています。漢方のような味がするとか。)

こういった経験を活かし、実践体験を予約制で開催されているそうです。詳しくは、ハニーガーデン瑞梅寺のHPに記載されています。

これだけのことをご自身でされていますが、実は本職ではなく、元々は趣味で始められたそうで、仕事の傍、毎週休日に通ってこのハニーガーデンを作られているそうです。ボランティアさんも募集されており、取材の時も二人のボランティアの方がいらっしゃいました。

なぜこんな大変なことをされているのか。それには、馬場さんの「里山の暮らしを体験してもらいたい」という思いが深く関係しています。

馬場さんのご実家は八女市で、農家育ち。そこで沢山の植物、生き物に触れてきたそうです。仕事の為一旦はそこから離れましたが、趣味で野菜を育てたりしている中で人口受粉しないと実が付かず、人は虫に支えられていることに気づいたそうです。そして、蜜蜂を飼う為の森を探し購入。そして、そのスペースを使ってもらえればと思い、キャンプ場もスタート。

「生き物がいる暮らしを知ってほしい。普段食べている肉も、生き物(命)であるということを実感してほしい。」

これが馬場さんの原動力になっています。
ゆくゆくは、キャンパーの方がそこで野菜をとって食べたり、卵で料理したり…ができるようになればと考えているそうです。


こういう「里山キャンプ」も魅力的ですね!

施設には、トイレ・シャワー・電気も完備。また防犯カメラは2台設置しており、緊急時には馬場さんに電話できるので安心です。ご予約はHPから可能で、事前決済もしくは現地でpaypay払い可能。少しキャンプ道具の貸出もあります。

これから春に向けて、引き続き準備を進めていくとのことです。キャンプの原点といっても過言ではない「里山の暮らし」を体験しに訪れてみてはいかがでしょう。

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Field Name:ハニーガーデン瑞梅寺

Location:福岡県糸島市瑞梅寺880-10

HP:https://honeygarden-zuibaiji.jimdosite.com/

Instagram:https://www.instagram.com/honeygarden_zuibaiji/?igshid=6kucjrey1gqx

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安藤光晴@運営チーム
by 安藤光晴@運営チーム

Field Bank運営チームの隊長を務めております。 新たなフィールドを開拓しワクワクするキャンプライフを創造していきます!